内地の香り

木村店長が配達から帰ると店内が内地の香りに包まれていた。
都会派の木村店長は内地の臭いに敏感だぜ。何だろう・・・。
これだ！

中に手紙が入ってる。
けがれの無い標準語だ。
「木村店長へ
いつも坂下おばさんの店の前の雪の山ば、軽トラさ積んで、
裏の空き地まで持ってってけで、ありがとう。
木村店長が急ブレーキでおどすた雪ば、
でっけぇソベルで、かいでけでる竹林さんにも感謝してんだわ。
たいしだ助がってるでや。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　坂下おばさんの家族より」

サンミートにご来店下さるお客様の為もありますので、全く気にしないで下さい。
人に明かりを差し伸べたら、自分の前も明るくなる。と、
もっともらしい人が語っているのを聞いた事がありますが、
この場合、自分の為の明かりが坂下のおばさんの役に立っただけです。
屋根の雪までは出来ません。