携帯電話、奇跡の救出

木村店長は週末恒例の床下のドブさらいをしていた。
ドブさらいの基本姿勢は、土下座からの更に前かがみの姿勢だ。
木村店長の携帯電話の定位置はケツポケットだ。
落ちる心配は全くしていなかったけど、
こういうときに限って何故か胸ポケットに入っていた。
ドブに落ちた。

木村店長は仕事柄、濡れた手で電話に出る事が多いので、
防水電話を選んでいたが、水深約５０ｃｍの中、約３分間。
さすがにこの状況では無理だろうと、諦めながらドブからあげた。

なんと生きていた。
しかし、待ち受け画面が勝手に変わっていた。





ドブくさいけど、ちゃんと話せる。