赤い石

木村店長は人生の節目を迎えたり、壁にぶち当たった時には、
必ずと言って良い程、赤い石に会いに行く。
前回、来たときはまだ雪が積もって無い頃だった。

今日も怒っているだろうか。

赤い石。ご無沙汰してます。
怒ってます。

除雪の為に場所移されてるし、「ラ」浮いてますけど、お元気そうで何よりです。
お蔭様で、木村店長は色々有り過ぎましたが、
無事、入社４年目を迎えられそうです。

下地無しでいきなり赤い塗料をまとい、
邪魔くさがられながらも使命を全うするその姿は、
基本的な知識や技術をあまり分からないながらも
常にクビギリギリの状態で、約３ヶ月間、教わった事だけを本に
精肉店で働く木村店長の様だ。
木村店長は赤い石に会いに来た様で、
実は自分自身に会いに来ていたのかもしれない。
お陰で忘れかけていた大切な何かを思い出せた気がする。
裏面は怒って無いようなので、少し安心しました。
赤い石。ありがとう。